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【建築費】価格が上がる今だからこそ、“伝える力”が価値になる

律

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本ブログのコラム記事では、主に不動産・建築関係のニュースを取り上げ、地域に与える影響や、今後の展望を個人的な意見を交えて紹介していきます。

時事ネタの一つとして、気軽に読んでいただければ幸いです!

↓先日こんな記事が出ていました。

【参照】
健美家 建築費高騰で不動産開発に相次ぐ黄信号。事業主の利益に直結する事態に大あらわ
建築費高騰で不動産開発に相次ぐ黄信号。事業主の利益に直結する事態に大あらわ|不動産投資の健美家

不動産業界にとって、ここ最近の「建築費の高騰」は他人事ではありません。
販売価格の上昇は、お客様にとって大きな決断のハードルとなりますが、私たち営業にとっては“伝え方”ひとつでチャンスにも変わります。

本日は、現場で今起きていることと、それに対して営業がどのように向き合うべきかを整理してみたいと思います。

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再開発が“止まる”時代に

2024年、中野サンプラザの再開発が白紙に戻されました。
当初1,810億円と見込まれていた事業費が、最終的には2,639億円、さらに900億円の追加見込み。採算が取れず、事業撤退という苦渋の判断が下されました。

これは決して一部の例外ではありません。
札幌駅前の大規模再開発も、建築コストの増加により完成予定が6年遅れることが発表されました。

背景にあるのは以下の要因です

ポイント

鋼材、アスファルト、セメントなど建材価格の高騰

職人不足と賃金の上昇

働き方改革による週末施工の停止

円安と国際情勢による輸入コスト増

現場で使用される鋼材が1トン1万円値上がりすれば、全体の建築コストに対して約1%のインパクトが出ると言われています。開発事業者にとっては、1%でも無視できない大きな変動です。

「価格が上がる=買わない」ではない

営業の現場では、価格の上昇が商談を難しくする要因になることも事実です。
しかし、「だから売れない」ではなく、「だからこそ伝え方が重要になる」という視点を持つことが今後ますます大切になります。

価格が上がっている今でも、実際に物件を購入されるお客様がいらっしゃいます。その背景には、納得感のある説明将来的な資産価値への信頼があります。

営業トークに“情報”という価値を

私たち営業に求められるのは、「なぜ価格が上がっているのか」「それでもなぜ今がチャンスなのか」をお客様の立場に立って言語化する力です。

以下のようなトークは、実際に商談の場でも効果的です。

原因を明確に伝える

「鋼材やセメントなど、基礎となる建材価格がここ数年で大きく上がっています。これに加えて人件費や工期の長期化が重なり、全国的に販売価格も上昇傾向にあります」

今の購入をポジティブに提案

「今後もこのコスト高の流れは続く可能性があり、むしろ現在の価格帯で購入できること自体が、将来的にはメリットになるかもしれません」

開発側の努力も共有

「開発現場ではRC造への変更や設計の工夫によって、価格を抑える取り組みもされています。価格以上の価値を実現する工夫が詰まっている物件です」

【個人的見解】

正直な話、価格が上がっている今、営業として「売るのが怖くなる瞬間」もあります。
でもその一方で、「この時代にこそ、プロとしての価値が問われている」とも感じています。

たとえば、「値上がりしているからこそ、早く買った方がいいです」とストレートに言っても、営業トークだと受け取られてしまいます。
でも、「実際にこういう開発が止まっていて、建築現場の材料費が上がっている。だから価格上昇は一過性ではない可能性がある」と伝えると、お客様の反応はまるで違います。

営業の仕事は、“情報を売る”ことではなく、“判断材料を提供する”ことだと思っています。

その判断材料を、正しく・分かりやすく・お客様の目線で伝えられるか。
ここに、営業としての“信頼”と“成果”があると私は感じています。

まとめ

不動産は高額な商品であり、購入は人生における大きな決断のひとつです。
だからこそ、価格が上がっている今、営業担当者の「伝える力」がお客様にとっての安心材料となり、判断の後押しになります。

不安を煽るのではなく、事実を丁寧に、そして前向きに伝える。
この姿勢こそが、信頼される営業としての第一歩です。

今後も価格や市場の変化は続いていきます。だからこそ、「情報を伝えるプロ」として、お客様にとっての“安心できる判断材料”を提供していきましょう!

律

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