
こんにちは。不動産営業について発信している律です。
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本ブログは読者を「売れる不動産営業マンに進化させる」という目的のもと運営しております。
今回は不動産営業マンが必ずおさえておくべき項目について解説していきます!
不動産営業にかかわらず、あらゆる業界・職種において基本は重要です。
現在SNSやインターネットを通じ、容易に情報へアクセスできるようになりました。
あなたは「誰でも」「簡単に」「明日から使える」といった小手先の営業テクニック論のツギハギになっていませんか?
そのような、"その場しのぎの"営業スタイルでは数字を上げ続けていかなければならない不動産業界において、継続的に売れていくには限界があるでしょう。そこで取れる数字は偶然、もともと契約するお客様にあたっているだけです。
あなたの同期や後輩にも、「あいつは良いお客さんをひいてる」と陰で羨まれてる人がいるでしょう。
短期目線で見ると数字を上げられて、あなたは劣等感を感じるかもしれません。
しかし見方を変えると、本来そこで失敗し成長するはずだった機会を損失しているわけです。
売れている人が急にスランプに陥る原因はここにあります。失敗の経験が不足しているため、なぜ自分が今売れていないのか分からないのです。
私が前職の上司に言われた教えで、今も胸に刻まれている言葉があります。
それは「売れている時こそ、なぜ売れたのかを徹底的に研究せよ」です。
基本的に営業マンは売れているときは自分の営業を振り返りません。
調子が悪くなって初めて接客内容を改善したり、トークを見直します。
しかしここで優秀な方はお分かりかと思いますが、上記のような不調の修正が好調へアプローチしているかは不確かであるということです。
例を挙げるとプロ野球選手を目指しているのに、死に物狂いでリフティングの練習をしているようなものです。
要は"努力の方向が間違っている"ということです。
おもしろおかしく聞こえるかもしれませんが、ビジネスの場ではこれが頻発します。
加えて、人はその間違いに気づきにくいです。
さて、話が逸れましたがそのようなテクニックや不確かなものに左右されないのが「基本」です。
本ブログを見てくださっている、向上心の高い方にはぜひ身につけていただきたい内容となっています。
営業として一生涯、武器となる土台を学んでいきましょう。
もくじ
不動産業界は「基本」で差別化が計れる

突然ですが、あなたは不動産営業に学歴は必要だと思いますか?
多くの方は学歴は関係ないと思われているはずです。もちろん学歴があることで有利になる場面もあるかとは思いますが、基本的に必要ないと考えていいでしょう。
それは転職サイトの不動産業界のページを見てみればわかります。多くの企業が「学歴不問」や「未経験歓迎」などの文言を謳っています。
私は下記が理由にあると思います。
ある種、時代に逆行した業界であるため採用側も選り好みできないというのが実情かと思います。
この、業界全体が慢性的な人手不足の状態で起こるのが、若手の教育不足です。
あなたは今の会社に入社した際、十分な研修・基礎を教えてもらったと感じますか?
またその期間は適切だったと思いますか?
一部の大手企業を除き、不動産業界ではいち早くひとり立ちし、売り上げを立てる戦力になることが求められます。
そのため、対お客様商売であるにもかかわらずマナーやホスピタリティの部分を疎かにしている教育が、大半の企業で実施されています。
一般の方からよく上がる声で「不動産屋は胡散臭い」というのは、ここにあると考えています。
あまり書くとテーマが飛躍するのでここまでに留めますが、私はここは業界全体として改善しなければならないポイントだと思います。
話を戻すと、お客様の中には不動産屋=「怖い」「だまされる」といった感情を持つ方が少なくありません。
事実としてあなたも、月末の数字がかかった商談では強引なクロージングをしたり、早期に決断を迫るなどお客様にプレッシャーをかける商談をしたことは記憶にあるかと思います。
では大多数の営業マンが必至に数字を追っている中、顧客本位の接客ができるとどうなるでしょうか。
私は主に以下、2点の結果がついてくると考えます。
・将来的に成約につながる確率が大幅に上がる
・紹介をいただける可能性が上がる
それぞれ見ていきましょう。
将来的に成約につながる確率が大幅に上がる
これは前提として営業マンの都合を無視する考え方なので、正直このブログの読者全員が実施できる環境にあるとは思いません。しかしあなたが長期的に成果を出したいのであれば、いずれは取り組まないといけない課題になります。
上記のように不動産営業は毎月が真剣勝負で、数字を翌月に持ち越せるほど契約に余裕のある人はごく僅かです。
お客様に満足していただく機会が多いほど、成約につながりやすくなるのは分かっているけども自身もノルマがあるため、判断を急かさないといけない。ここに顧客満足度の矛盾が生じます。
しかし重要なのはあなたが、「お客様の評価が成約につながると理解していること」です。
最初は全てのお客様に満足いくまで対応できなくても構いません。
月に1件、2件…と徐々に、お客様と真摯に向き合う商談を増やしてください。
そうすることで安定した制約につながり、そのしっかりとした土台があなたを継続的に成果を上げる営業マンへ成長させます。
紹介をいただける可能性が上がる
私は営業マンとして成功するにはここがかなり重要だと実感しています。
現在私は会社員のかたわら、フリーランスで不動産仲介をしているのですが、基本的には友人や紹介の範囲でご案内をさせていただいています。
始めた当初は案件も少なく、休日を内覧等に消化しても売り上げに直結しないことはザラにありました。
幸いだったのは、お客様が友人や知り合いということもあり自身の気持ち的には負担がなかったということです。普段、遊んだり飲みに行くような友達と喋りながら内覧や見積もりをし、気に入れば申し込みをするという流れです。
しかしここでも私は、あくまで相手はお客様という気は常に張っていました。
後述の4選も含め、必ず相手より先に待ち合わせには到着しておく、質疑には即レスする等、不動産で関わりを持っている以上、決してその立場関係は崩しませんでした。
すると友人もその姿勢を評価してくれ、「地元の友達なんやけど…」や「妹が4月から転勤で…」と困ったときに私に連絡をしてくれるようになりました。
これは本当に感謝していることで、私は紹介いただいた方にも失礼のない対応を心掛けています。今では自分で新規開拓をせずとも月に2~3件はお声をかけていただける状況です。
このようにほとんど紹介だけで売り上げを上げ続けられるサイクルが、最強の営業だと私は考えています。
以上があなたが超初歩的な「基本」を徹底するだけで、他の営業マンと差別化が計れる理由です!
ではその具体的な基本行動を見ていきましょう。
初回来場時に最低限おさえるべき基本

それでは具体的にあなたが今後、意識しなければならない最低限の不動産営業としての基本を解説していきます。(今回は初回来場時を想定しています。)
また基本といっても、指導する人や個人の価値観によっても変わってくるかと思いますのであくまで、私がこれだけは最低限守る必要のある重要だと思う事項を挙げています。
来場時は必ずお迎えに上がる
店舗や事務所によりますが、基本的にお客様は予約を入れて来場されると思います。
またその際には来場時刻、誰が担当するか等も決まっていることが多いですね。
事前に自分のお客様が来られることが分かっているのであれば、玄関やエントランスで待機するようにしましょう。
駐車場が併設されているようなモデルハウスであれば、初めてお会いになるお客様が何の車を乗っているかが分かります。ファミリーカーであれば一人での来場でも家族やお子様がいるかといった予想ができます。
また若い年齢の割に高級な車を乗っていればカーローンの残債がないかや、見栄を張りたい性格なのかといった、その人の財政面や内面に対する考察も事前にできます。
さらに商談ブースまでご案内ができる環境だとそこで「今日は雨がすごいですね」や「〇〇線が遅延しているようでしたが影響ありませんでしたか」とお客様との軽いアイスブレイクができます。そこで軽快に返事をしてくれるようであれば、お客様の情報を一つもらえるかもしれません。
そして一番はお客様に対しておもてなしの心を表現できることです。
たとえば、あなたがレストランを予約し、予約時間にウェイターが入口で出迎えてくれたらどうでしょう。
悪い気分にはならないはずです。もし雨が降っていて、自分の近くまで走ってきてくれ、用意していた傘を手渡してくれたらどうでしょう。
その出来事だけでも、お客様に誠実な印象を持ってもらえる可能性は十分あります。来場時のお出迎えに損はないので毎回徹底するようにしましょう。
お客様の名前を呼ぶ
あなたの渾身の接客トークが刺さるお客様と、刺さらないお客様がいます。
その差は何でしょうか。それは「そのお客様と信頼関係を築けているか」という差です。
営業マンこそ、自分が大きな買い物をするとき、誰から購入するかを非常によく考えるかと思います。
私は買い物をするときは、買うか買わないかはだいたい既に決まっていて、最後はどう後押ししてくれるかを相手に求めます。
そしてその後押しは、店員や担当との信頼関係に大きく寄与すると考えています。
そのため、事前に買うと決めていても先方の対応によってはその意見が変わってしまうことも稀にあります。(本当にたまにですが…)
お客様の名前を呼ぶことは、分かりやすくそして潜在的に相手に「客としてではなく、一個人として認識してくれている」と思わせることが可能です。
もちろんお子様がいらっしゃる時も同様です。「○○くん」や「○○ちゃん」といったように、名前を読んであげることで、お子様もこちらに意識を向けやすくなります。
過去ご成約いただいたお客様で、ご夫婦よりお子様と仲良くなってしまったご家族がいらっしゃいました。
その方からの「○○がこんなに懐く人は初めてです」という一言が今でも忘れられません。
ただ振り返ると、それほどお子様が私に心を開いてくれたから、お二人との信頼関係を築けたのかなとも思っています。
次回の新規顧客から、その人の"名前を呼ぶ"ことを心がけましょう。
靴を揃える
不動産営業マンが他の営業マンと違うポイントの一つに靴を脱ぎ履きすることが、非常に多いということが挙げられます。靴については今後、単体で解説記事を出していきたいと思っていますが、「何を履くか」よりも「どう扱うか」が大切です。
なぜなら物の扱い方に、その人の丁寧さや品格が現れるからです。
新人によくあることですが、内覧が終わり部屋を出ようと玄関に向かったとき、革靴がハの時になっている、もしくは框や壁に沿った置き方をしていない。
私だけの感覚かもしれませんが、そのような所を見られると非常に恥ずかしく感じてしまいます。
ひどいときはお客様の靴を、気づかず蹴とばしてしてしまっている営業もいます。
せっかく良い部屋を見て、この部屋でこれからの生活をどう過ごしていくか、思いを膨らませている時にそのようなモヤっとした気分にさせてしまっては台無しです。営業マンは部屋のドアを開け、最後に入室し、お客様と自身の靴を揃えて入室しましょう。
靴は、内覧の最後にお客様が目にする箇所です。
後ろ姿が見えなくなるまで見送る
よく「人は別れ際に本性が出る」と言われています。
これは終わりが近くなるにつれて緊張がほぐれていくために起こる事象のようです。
また心理学の面からみても"ピーク・エンドの法則"という現象があり、人は感情が動いたとき(ピーク)と出来事が終わったとき(エンド)の印象で脳が全体の印象を記憶するそうです。
「せっかく良い商談ができていたのに、最後で思わぬトラブルが起きてしまった」
あなたも一度は経験があるのではないでしょうか。
私も駅から徒歩1分のマンション販売をしていた時にそのような経験があります。
その日、担当させていただいたお客様は定年を控えたご夫婦の方で、いずれは娘の手に渡るだろうということから、娘さんを合わせた3名でご来場されました。駅徒歩1分の新築物件ということもあり、手ごたえは良好。娘さんの職場からアクセスも良く、この物件にしない理由がないというところまで商談は温まりました。
最後にもう一度、自慢の2層吹き抜けエントランスを見られたいとのことでしたので、エントランスまで案内したとき、マンションの敷地に入るか入らないかくらいの距離感で揉め事が起きていました。男性同士の口論でしたが、次第にヒートアップ。
あろうことか敷地に挿している登り旗を引き抜き、喧嘩に使用しだしたのです。会社のロゴが入った旗を部外者が振り回し始めたので、さすがに仲裁に入るしかなく私を含めたスタッフ、周囲の通行人でその場を収めました。
その様子を見て、お客様は一気に不安げな表情になってしまいました。
完売まで担当した物件で、そのようなことが起きたのはこの一度だけだったのですがお客様からすると、このエリアは喧嘩が起こる地域なのだと刷り込まれてしまいました。
当然のごとくお断りの返事をいただき、とても苦い経験となってしまいました。
このような自身でコントロールできない出来事は割り切らないといけませんが、お客様との別れ際というのは、商談のピーク時と同じくらい重要な場面です。
たとえお客様が振り返らなくても見えなくなるまでお見送りをし、お客様が見切れる際は一礼するようにしましょう。
あなたが一礼する最後の最後にお客様が振り向いてくれるかもしれません。
まとめ
不動産事業者はコンビニの数より多く、また不動産業界は学歴が比較的不要で就職しやすい業界です。
それゆえに営業マンの実力もブレ幅が大きく、業界として一部悪いイメージがあるのも事実です。
そんな業界にいるからこそ、長期的に安定した数字を上げるベースである「基本」が最も重要です。本記事で挙げた事項の他にも、周囲の優秀な営業マンの方が大切にしている基本を聞いてみてはいかがでしょうか。

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